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「まぶしっ、」
厚手の遮光カーテンを開く。
結露のついた窓、そして雨戸を開けた先。
冬の朝の冷たい空気と共に、上がり始めたばかりの朝日を真正面に捉えてしまった。
暗闇の中に突き刺すように視界に飛び込んできたその鮮やかな白光が眩すぎてギュッと目を閉じる。
ああ、そういえば――。
この部屋は朝が一番日の入りがいい部屋だったことを思い出した。
いい天気になりそう、今日は掃除日和だ。
ゆっくりと慣らすように目を開き数年ぶりに陽の光を浴びた部屋を振り返ると。
空中に舞う小さなチリのような埃、それとぼたん雪のような綿埃が無数に舞っていた。
冷気と埃で肺が刺激されてむせるように咳が出た。
寒いけれど、換気しないことにはどうしようもない。
ゴム手袋とマスクを装着し、この部屋に向き合うこととした。
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