第七章-Ⅶ Rei`s Story =SIDE④=

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『俺…何で?』 優しく声を掛けてくれているのは彼女ではない。 『連絡があって、びっくりよ。 レイの番号だったから珍しいなんて思って出たら麻依さんで…倒れたって聞いたの。』 話しながら額の汗をタオルで拭いてくれている。 俺は七海の腕を掴むと 『自分でやるから。』 とタオルを奪った。 このままじゃ、いつか倒れるんじゃないかって自分でも思っていた。 でも、よりによってこんな時じゃなくても。 麻依さんは? 周りを見回した。 『過労だとよ、全く親子で病院なんて、勘弁してくれよ。大したことなくて良かった。 おまえ飯もろくに食ってないんだろ。ったくよ、うちに来いって言ってんだろ。 退院したら飯は店で食うように、命令だ!』 口調はきついが優しい顔つきの健じいにうんと微笑む。 いつもの健じいだ… 良かった。 『健じい、ごめんな。親父のこと…』 目を逸らせないほど強く見つめる健治の瞳は穏やかでそんな彼は 『何いってんだ、こうやって会えたんだ。なっ司。』 横を向き話し掛けている。 『はぁ?親父と同じ病室かよ、勘弁してくれ!』 トントン、ガラガラ… そのノックの音に俺の高鳴る鼓動は、麻依さんだと期待していた。
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