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大掃除をしていたら小学生から高校生までの卒業文集が出てきた。
「懐かしいなー。俺どんなこと書いたっけ?」
まず小学生の卒業文集を手にした。
「中学生の僕へ。夢に向かって頑張っているか?絶対に諦らめるな」
「俺ってこんな熱い男だったっけ?続いて中学生はどうなってるかな?」
中学生の卒業文集をめくった。
「おーあったあった。高校生の僕へ。夢に向かって頑張っているか?
背は伸びたか?毎日マラソンは続けているか?筋肉はついたか?そのまま行け!」
「こんなに頑張っていたっけ?高校生はどうだ?」
高校生の卒業文集をめくった。
「果たしてどうなっているかな?10年後の僕へ。今はどんな生活をしている?プロ野球選手の夢は諦めたけど何を目指して頑張っている?
きっと10年後も夢に向かって頑張っていると思う。もっともっと頑張ってくれ。だって俺にできることは頑張ることだけだから」
男は情けなくて涙が出た。今年はちょうどその10年後だったから。
「今の俺はただ何となく人生を生きているだけだ。いつからだろう?頑張ることをやめたのは?」
社会に出て自分の無能さを感じた。頑張っても何もできないことを思い知らされた。
こんなに泣いたのは初めてだった。
「また俺頑張るよ。夢を見つける。だって頑張ることしか取り柄ないから。」
そうしてまた10年後の自分に向かって手紙を書いた。
「ここ数年俺は死んでたけど、これからまた夢を見つける。夢はなんだっていい。けど頑張っていない俺は絶対嫌だ。
10年後の俺へ。これを読んでいる時は泣いてなくて笑っていると思う。今何を頑張っている?」
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