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Cherry Blossoms
早中医師は、私を呼び止めると、とある患者さんの病室へと向かい、毎分5リットルで流れている酸素吸入の供給元を中央配管から酸素ボンベへと変更して、ベッドごと移動を始めた。
「俺が先導するから、お前は頭元からベッドを押してくれ。」
そう言われて、私は、点滴やハルンバッグ、酸素マスクや心電図モニターの子機のルート確認をしてから、ベッドのストッパーを外して、ベッドを押し始めた。
F病棟の看護師長が、大変慌ててやって来た。
年齢は40歳代で、身長もスタイルも良い。
ただ、性格には難ありだが・・。
「先生!
待ってください!
どう言うことですか!
焔くん!
先生を止めて!」
と、フォルティシモで言っていた。
「うるさい!
師長!
この人に今何が必要か考えろ!
QOLは何のための言葉だ!
それから、焔は俺が声をかけた。
文句なら俺に言え!」
早中先生がそう言うと、師長はもう何も言えなかった。
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