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「そんな事が一週間、毎晩毎晩、続いて…。私…最近、すっかり寝不足なのよ。
あの、お婆さん…全然、知らない人だし。全く、訳が分からないわ。
めちゃめちゃモヤモヤする…。毎晩毎晩、夢に出て来られて…私のモヤモヤも日を追うごとにどんどん膨らんで行ってさぁ。
このままだと、私…このモヤモヤで頭が変になりそうなのよぉ。
それと…最近、この部屋にいると…時々、何か『視線』みたいなのを感じるのよねぇ。
だから…もしかしたら、この部屋には霊的な『ナニカ』が、いるのかもしれないと思えて来てさ。
今、引っ越しも考えてるのよ。でも…お金、無いしなぁ」
橋口さんは、深くため息をついた。
「なるほど…」
僕は、頷いた。
「と、いう事は…橋口さん。君は、僕にこの部屋を『視てもらいたい』という訳なんだね?
その『ナニカ』が本当に、いるのかどうか」
「実は、そうなの…。
私、このモヤモヤを何とかしたいのよぉ。お願いできるかしら。助けて。結城君」
彼女が、すがる様な目で僕を見て来た。
そうなんだ。
僕は、昔から何となくだけど…いわゆる『霊的な存在』をぼんやりと『感じる』事ができるんだ。
本当に、ぼんやりとなんだけど…。
実は、この部屋に入った時から何やら、変な感じがしていた。
でも…この部屋、数年前に引っ越しの手伝いで来た時は、こんな変な感じは全くしなかったんだけどな…。
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