【9・結城勇気】

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すると…。 「いやぁ、私さぁ…。 普段から懸賞応募で葉書をあちこちに出しまくってるもんだから、あのビールのキャンペーンも、てっきり応募していたもんだと勘違いしていたのよねぇ! でさ!昨日、たまたま読みかけだったお気に入りの漫画を久しぶりに、また読もうと中を開いたら…あ、ちなみにその漫画って『おいっ!コイツは醤油差しじゃなくて将棋指しだろうがっ!』っていう、ちょっと長めのタイトルのギャグ漫画集なんだけど…いやぁ!これが結構、笑えるのよねぇ! あ、ごめん!お話を戻すわね。 その漫画集を久しぶりにまた読もうと中を開いたら…何と!その途中のページに、あのビールの応募葉書が挟んであったのよ! ほら。私って、昔っから本の表紙カバーとか、しおりとかをちょくちょく無くしちゃうでしょ。 そんで、あのビールの応募葉書を『無くした、しおりの代用品として』無意識のうちにその漫画に挟んで、その事をすっかり忘れちゃってたのよねぇ! だから私…元々、あのビールのキャンペーンには応募すらしていなかったって事なのよ! いやぁ、全く笑える話でしょ!ハハハ!」 彼女は、快活に笑った。
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