【9・結城勇気】

4/5

30人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「は、橋口さん!」 僕は、思わず大声を出してしまった。 「な、何よぉ…。いきなり、大声を出して。びっくりするじゃないの」 彼女が目を丸くしながら言う。 構わず僕は、言葉を続けた。 「もしかしら… 今のアパート、引っ越した方が良いかもしれないよ!」 「ええっ?ど、どういう事?」 僕の言葉に橋口さんが更に驚いて目を丸くした。 「あのビール事件が解決したから、もう引っ越ししなくて良くなったと思っていたのにっ! もおっ!またモヤモヤしちゃったじゃないの!全く!右を見ても左を見ても世の中、モヤモヤだらけだわっ!」 すっかり口を尖らせている。 「い、いや!だって、そうだろ?」 僕は、まくし立てた。 「君の友人、知人…家族や親戚ともまた違う全く別の誰かが…君の代わりにビールのキャンペーンに応募したって事は、だよ?」 と、ここで息を大きく吸うと… 僕は、次の言葉を吐き出した。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加