【9・結城勇気】

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「その応募したヤツ… 君と特に近しい人間という訳じゃないのに…何で、君のフルネームやアパートの部屋番号まで…そんなに事細かく応募葉書に書く事ができたんだ? 何で、君の『個人情報』をそんなに詳しく知ってるんだ?おかしくないか?!」 「あっ!!」 僕の言葉を聞いた…橋口さんの顔が… みるみる… 青ざめて行った……。 「つ、つまり… もしかしたら、ソイツ…私のストーカーかもしれないって事??」 と…。 「ああっ!そう言えば!」 彼女が、更に言葉を付け足した。 「結城君! 前に私…結城君に、こう言ったのを覚えてる? 最近、自分の部屋にいると…時々、何か『視線』みたいなのを感じるって…。 私…てっきり、あのお婆さんの霊が、その『視線の主』だとばかり思ってたんだけど…よく考えたらさ…。 お婆さんが夢に出て来なくなった今でも…時々、部屋であの視線みたいなのを感じる事が有るのよ!!」 そして…一呼吸おくと… 「もしかしたら、あの視線の『本当の主』は…お婆さんの霊なんかじゃなくて… ストーカーなのかも…。 ほら。私の部屋って、アパートの一階でしょ?窓の外から…じぃっと、部屋の中をノゾいているのかもしれないわ……」 彼女は、そう言うやいなや… ゴクリと喉を鳴らした。 ああ…。 またもや… モヤモヤが……………。
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