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【2・橋口美穂】
私の名前は、橋口美穂。
私は、とある商社で経理の仕事をしているOLだ。
二ヶ月前にカレシと別れてから、ずっとフリーの状態。
現在、アパートで独り暮らし中である。
さて!
今夜は、土曜日…
明日は、休日だ!
「はい!ただいまっと!」
自分のアパートに帰宅した私は、今しがた近所のコンビニで買って来た缶ビールやスナック菓子、雑誌などが入った袋を部屋のテーブルの上にドサリと置いた。
そして、その場に腰を下ろし袋の中身をテーブルの上にずらずらっと広げると、缶ビールのリングプルをプシュッ!と開け、鼻歌混じりに雑誌をパラパラとめくり始めた。
「さぁて!懸賞チェック!懸賞チェック!」
実は、最近…私は雑誌とかに載ってる懸賞の応募に、めちゃめちゃハマりまくっているのだ!
コスメやバッグ、靴や食料品、映画やコンサートのチケットなどなど…探せば懸賞の応募企画って、本当にあちこちに有るのよね。
まあ、外れる事が大半なんだけど…それだけにたまに当選した時の喜びは、本当に格別!
それに、例えダメモトでも応募葉書を書く時のワクワク感が結構、私は好きなのよねぇ。
だから私は、そういう懸賞の記事を見付けると、ほとんど手当たり次第に応募している。
最近では、今夜みたいに土曜の晩になると…
近所のコンビニでビールや雑誌などいろいろ買って来て、自分の部屋であれこれ懸賞の応募企画をチェックするのが、私の週末の楽しみになっているの。
仲が良い友達は皆、週末はカレシとデートなんで…
独り身の私の週末は、もっぱら『ソロ活動』なのよねぇ…。
とは、言え…
最近の私は「しばらくの間は、カレシいなくても良いかなぁ」と、思っている。
二ヶ月前に私が恋人と別れたのは…当時のカレ、佐々村冬雄の浮気が原因だった。
「何か…恋愛に疲れちゃったわ…」
まあ、確かに週末ともなると、『独り身の寂しさ』をちょっぴり感じる時も有るけど…
それと同時に『独り身の気楽さ』をも実感する。
今の私にとっては…その気楽さの方が断然、心地好い。
私が懸賞応募にハマり始めたのも、この独り身のソロ活動がきっかけだと言えるかもね。
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