【2・橋口美穂】

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と、いう訳で… 今夜も私は、いつもの様にコンビニで買って来た缶ビール片手に部屋で雑誌をパラパラとめくっている。 と…。 「うん?」 ふと、私は…今、買って来たコンビニ袋の中に、缶ビールやスナック菓子の他に何やら葉書らしき物が入っている事に気が付いた。 「何だろ…。葉書なんか買ってないはずだけど…」 恐らく、すっかり顔なじみになったあのコンビニ店員さんが袋に入れてくれたのであろう。 私は、ごそごそと袋からその葉書を取り出してみた。 それは、やっぱり葉書で… 表面には『〇〇ビール株式会社』という会社名とその住所が既に印刷されてあり… 更に裏面を見ると、上の方に『ナチュラル・ライトご愛飲キャンペーン!』と、デカデカとタイトル文字が銘打ってあった。 〇〇ビールの『ナチュラル・ライト』というのは、私も大好きでいつも飲んでいる銘柄だ。 現に今夜も私は、それと同じ銘柄の缶ビールを三本、買って来ていた。 「えっと、どれどれ?」 と、私はその葉書を読んでみた。 『ナチュラル・ライトご愛飲キャンペーン! いつも、当社のナチュラル・ライトをご愛飲頂き、誠にありがとうございます! そこで日頃の感謝を込めまして、プレゼント・キャンペーンを実施致します! 下の丸い欄に缶に付いている銘柄シールを貼ってご応募下さい! 抽選でナチュラル・ライト350ミリリットル缶24本パックをプレゼント致します!』 見ると…その葉書の下の方に、点線で書かれた丸形の空欄がずらっと並んでいて… その更に下の方に応募者の住所氏名の記入欄が印刷されていた。 ちなみに通常、缶ビールというのはその表面に直径1、2センチくらいの銘柄名が印字された丸いシールが貼り付けてある。 恐らく、そのシールを葉書の丸い空欄に貼って、それが貯まったら応募できるって事なのだろう。 「なるほど!スタンプ・ラリーならぬ、シール・ラリーって訳ね!」 葉書に記されている点線の丸い空欄は、数えてみると全部で十八個有った。 応募締め切りは、今から約一ヶ月後。 一ヶ月の間に缶ビール十八本… 大のビール好きの私にとっては、そんなに大変な量じゃない! 「十八本飲んで応募すると、二十四本もらえるなんて!めちゃめちゃお得じゃないの!」 早速、私は今日買って来た三本の缶ビールのシールを全て剥がして、葉書の丸い空欄に貼り付けた。
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