二章 もふもふが集う古書カフェ店へようこそ

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「みどりちゃん、可愛らしいお客さん達は中々注文しないね」 さっきからメニューを真剣な表情で眺めてうーんうーんと唸りながら悩んでいる二匹と一羽の姿は可愛らしいのだけどかれこれ二十分も経ったのではないかなと思う。 「あの子達は誰かに似ているよね?」 みどりちゃんはなぜだかわたしの顔をじっと眺めてにやりと笑った。 「みどりちゃん、どうしてわたしの顔を見るのよ?」 「だって、真理子は優柔不断で飲食店に行ってもメニューを見てあれも食べたいこれも食べたいと言って悩むでしょう? その姿に似ているよ」 確かにわたしは優柔不断だ。美味しそうなメニューがたくさん並んでいると全部食べたくなってすぐに決められない。だって、どんな味がするのかなと想像するとワクワクして幸せな気持ちになる。 だから、あれもこれもと迷ってしまうのだ。そんなわたしはみどりちゃんが言っていることはごもっともではあるけれど動物と似ているだなんてなんだかなと思う。 その時、 「すみません~にゃん」と茶和ちゃんが手を上げた。
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