二章 もふもふが集う古書カフェ店へようこそ

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「は~い、は~い、ご注文は決まったのかな?」 わたしは伝票を手にしてにっこりと笑った。 「ハイビスカスティーをくださいにゃん」 「わたしもハイビスカスティーが飲みたいよ。コッコッコー」 「うーん、迷うけどさんぴん茶をくださいワン」 「ご注文は茶和ちゃんとヤンバちゃんがハイビスカスティーでチワワンちゃんはさんぴん茶だね」 わたしは元気よく注文内容を復唱した。何十分も悩んでお茶一杯なのかと思うと可笑しくなるけれど、悩む気持ちは分かるので良しとしよう。 「ねえ、皆は本は読まないの? このお店は古書カフェだよ」 動物達が本を読むとは思えないけれど聞いてみた。 「本ですか? うにゃ読みますにゃん。探してきますにゃん」と言ったかと思うと茶和ちゃんはハイチェアからぴょーんと飛び降り見事に着地。 そして、書籍が並ぶコーナーに可愛らしい足取りで歩いて行った。チワワンちゃんとヤンバちゃんも「待って」と言って後に続いた。
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