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わたしは楽しい気持ちになり軽い足取りで茶和ちゃん達の後を追った。可愛い動物達は天井まで広がる壁一面に備え付けられた本棚の前に立っていた。
「流石古書カフェということだけあって本がたくさんありますにゃん。興味深い」
茶和ちゃんは本棚を見上げて言った。
「古い本から新しい本まで揃っているみたいだね。この古書カフェに来て良かったかもワン」
「そうだね。ずっとここの匂いを嗅いでいたよ。コッコッコー」
この可愛らしい動物達はまさかの本好きなのだろうか? 動物達の周りになんだか不思議な空気がふわふわと漂っていた。
「茶和ちゃん、ヤンバちゃん、チワワンちゃんわたしも仲間に入れて」
わたしの声に動物達はほぼ同時にこちらに振り向いた。
「もちろんどうぞ」と動物達はわたしを歓迎してくれた。不思議な動物達と友達になれたことが嬉しくて純粋だった幼い頃のわたしに戻れたような気がして心が弾んだ。
「ねえ、茶和ちゃんは本が好きなの?」
「うーん、好きかもにゃん……」
茶和ちゃんはどうしてだか少し俯きそれから顔を上げにんまりと笑った。茶和ちゃんの表情が一瞬だけ曇ったように見えた。だけど気のせいだよね。
だって、茶和ちゃんはにゃんにゃんと元気よく本棚を眺めているのだから。
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