二章 もふもふが集う古書カフェ店へようこそ

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茶和ちゃんの本を見つめる瞳とぷくぷくっと膨らむウィスカーパッドが嬉しそうで愛くるしい。ヤンバちゃんとチワワンちゃんも楽しそうだ。 「皆、取れない本があったら言ってね。脚立もあるよ」 小さな体で天井まである本棚を見上げている動物達にわたしは言った。 わたしも本でも読もうかな。本棚を眺めていると時間を忘れてしまいそうになる。ずっとずっと眺めていたくなるから不思議だ。たくさんの夢が詰まっている本を手に取りぱらぱら捲る。 「真理子~どこにいるの? 皆もどこにいるの? お茶の時間だよ」 本を夢中になり眺めているとみどりちゃんの声が聞こえてきた。 「みどりちゃん、ここだよ。本を見ていた。今行くね、あ、皆もお茶の時間だよ」 「お茶でしたにゃん。すっかり忘れていたにゃん」 わたしと動物達は本を抱えてテーブルに戻った。
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