パーティー組まなあかんねん

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パーティー組まなあかんねん

ブシュッ、バシャッ、ぶよよ~ん。 なんとも張り合いのない相手との戦闘に下都賀凜は辟易としていた。雑魚スライムを一気に片付けると、後列で魔法でサポートしていた花のモンスター、ナハナハの首を真一文字に切り落とす。合計6体のモンスターを目にも止まらぬ速さで撃破する。 「叔父様、見てないで少しは手伝ってよ」 凜は戦闘の対価のお金、ギギルを数えながら、パイプの煙を吹かしている叔父、下都賀拓実に文句を言う。拓実は美味しそうに煙を吐き出すと、 「あんな雑魚、俺の出る幕はないだろ?全く、麗子が変な実験したせいで異世界で魔王討伐する羽目になるとは…。帰ったら縛り上げてヒイヒイ言わせてやる」 パイプを持っていない右手の手つきがなんとも嫌らしい。 「叔父様、あまり卑猥なことを言うとこの異世界でお墓に入ることになりますよ」 凜はショートダガーを構えて拓実を睨み付ける。 「フン、元の世界でもこの異世界でも凜に殺されるほど俺は弱くないぞ」 「それはどうかしら?人には必ず隙がある。叔父様が女に現を抜かしているその最中に後ろから首を切り落とすくらい朝飯前よ」 「そういや朝飯がまだだったな。この草原を抜けた町で朝飯にするか」 「うん、お腹空いた。この異世界の噂をまとめると、パーティーは三人以上で魔道士を一人入れないと途中で物理耐性ある敵に遭遇して詰むって。私も叔父様も武闘派の戦士系だし、魔道士見つけないと。次の町で魔道士も探しましょう」 「よし、それいいな。美魔女探すぞ!」 「美魔女じゃなく、魔道士です!」 凜と拓実は次の町、クリコットへと向かった。
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