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キーン…コーン…カーン…コーン…。 お馴染みのチャイムの音で葵は「では。」と自分の席に戻り、私も席についた。 始業式のために体育館に行くまでの少しの時間、私はあることに気づく。 ──あ、初めて見る顔。 私の左隣に座る人は、初めて見る人だった。 この学校、コース選択が一年生に行われているため、クラス替えしても、メンツはほとんど変わっていないのだが…。 黒いショートヘア。群青色の瞳。高い鼻…。 葵とはまた違った美少年だ。 葵は、群青色の髪に、黒の瞳だから逆だなと思った。 話しかけてみたい、かも? …あ、でも、私から話しかけたら、引かれるよね。なんてったって『七桜組一人娘』なわけだし。 まぁ、そのことをこの人が知っているのかどうかは知らないけど。 そんなことを思っていると、ガラガラと黒板側の扉が開いた。 「今から始業式だから、並べー。」 そこにいたのは、去年私の担任だった、ハゲゴリラこと、『影田五郎(かげたごろう)』先生だった。 その言葉にガタガタと立ち上がる、クラスメイト。 私もそれに便乗して、静かに立った。 学年は変わっても、去年と変わることは何もないのだろうなと思いながら。
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