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始業式を終え、教室に帰ってきた。
担任は去年同様ハゲゴリラで、今は前に立っている。
「えー、去年クラスが違った人もいると思うから、自己紹介しようと思う。」
当たり前のことをドヤ顔で言うハゲゴリラ。
教室は一気に騒がしくなる。
去年もほとんどこのメンツで自己紹介したのに、何がそこまで盛り上げるのだろうか。
──去年の自己紹介。
それはもう、中学からの同級生に、「よ!組長!」なんて野次を入れられて散々だった。
というか、自分の何を紹介すればいいのかよく分からないから、自己紹介は嫌いだ。
とりあえず、今年も友達ができそうな自己紹介を考えるだけ考える。
私は、七桜。出席番号順だろうから、少し時間に猶予がある。
えっと、趣味は読書、部活は薙刀部、座右の銘は明日があるから大丈夫…。
そのとき急に左肩を叩かれた。
「…なぁ。」
「……え?」
肩を叩いた主は、隣の席に座る例の知らない人。正直、驚いた。だって、私に話しかける同級生なんて葵以外いないから。
「…何?」
「お前が噂の七桜?」
あら、初対面なのに、口が悪い。
というか、私がヤクザの娘だってバレてる。
…まぁ、そりゃそうだよ。なんてったって、この街、牛耳ってるもんね。ウチ。
「そうだけど?」
私は、もうこの際だからと思い、堂々と返事をする。
すると、その人は、くくくっと笑い、
「覚悟しといてね。」
と一言残した。
「なんの話?」そう口を開こうとした瞬間、ハゲゴリラが手を叩く。
「静かに!じゃあ、一番の飯田から!」
私がモヤモヤしたまま自己紹介は始まった。
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