※認めない

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「いい声……いいのよ、お尻で感じても何も悪くないわ。ほら、もっと穿っちゃう!」 「うあ……やめっ……んん!」  肉襞が捲れるほど指の動きが激しくなった。神谷の腰がそれに合わせてズリズリと動いた。二人の身体の間に挟まった屹立はもう滅茶苦茶だ。透明な雄液を吹きながら、肉皮が取れるくらいに擦り合った。 (こんなの、こんなの……っ!)  認めない。尻孔を弄られて溺れるなんて認めたくない。それなのに、この快感だけは手放したくない。どっちが本当の自分なのか、わからないほど一司は混乱を強めた。 「ぁう……っ! っ、はっああっ、もう俺っ……!」  後ろと前を同時に攻められると、わけがわからなくなる。絶頂が近い。腰の髄が痙攣した。 「かずちゃんイきそう? いいのよ……可愛い声で啼いて、いっぱい出しちゃいなさい……っ!」  追い打ちをかける指使いに肉孔がどんどん蕩けていく。一司は自然と双丘を揺らして摩擦を貪った。 「その動き方、エロくてたまんない……」  ここにきて指が二本に増やされた。圧迫はなかった。寧ろ満たされた。 「ああっ……もう無理、これ以上しらた……っんんあっ」  神谷の首に腕を回して、必死にしがみ付いた。 「無理じゃないわよ……イって。ほら……イけよ」  弱い部分を二本の指でぐりっと抉られた。それが決定的だった。一司の全神経が快楽の渦へと飲み込まれた。 「ひ、はっ……あっ、イクっ、ああっ……んっぅ!」  放出感が込み上げて、一司は粘り気を失った射熱を吹いた。直後、獰猛な口づけによって喘ぎは塞がれ、神谷が白濁の精を噴射した。交じり合った熱精は二人の胸部まで濡らした。濃厚な雄の香りが鼻先を突いた。 「ああ、かずちゃん……今夜も最高だったわ。ご馳走さま」 「……はぁっ、はぁっ……もう、やだお前……」  荒い呼吸を繰り返しながら、全身の力を抜いて神谷の胸へと凭れた。力尽きだのだ。 「ふふっ……可愛い」  そんな一司の髪を神谷は愛でるように撫でた。
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