※雨の中の二人

10/16

1527人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
(いける、いけるはずだ……)  脳内で挿入行為をイメージしていると……。 「かずちゃん、心配しないで。もし、途中でどうしても無理なら言ってね」  神谷の手が片頬を撫でてきた。余裕がないと言っておきながら、一司をちゃんと労わっていた。今まで散々、焦らされてきたのだ。爆発する欲望のまま身体を繋げたいはずた。 「い、痛くしたら、許さねぇからな……っ」  瞳を強く瞑って虚勢を張った。そうでもしないと気持ちが保てなかった。 「了解、任せて」  微笑みながら神谷が両膝を割り開いた。自らの指を舐めて唾液(まみ)れにすると、微かに蠢く蕾へと指先を突き入れてきた。 「っ……ん!」  久々の異物感に一司は眉を顰めたが、それほど苦痛ではなかった。寧ろ指はスムーズに奥へ奥へと進んでいく。 「慣らしてきた甲斐があったわ。指を入れたらすぐに厭らしくうねり出したわ……」 「また、変な事を言いがやって……っあ、んんっ!」  語尾が嬌声で飛んだ。指腹が弱い部分を擦ったのだ。  半年間。時間をかけて開拓された身体はすぐに蕩けた。何を抵抗しても無駄なのだ。一司の性感帯はとうに知り尽くされていた。 「かずちゃんのダメになるところ、今日は俺ので、いっぱい突いてやるからな」 「だからそれが嫌……っあっ、あああぅ!」  摩擦が強まった。またしても声は掻き消えた。指が二本に増やされた途端、激しい抽挿が開始したのだ。股座を持ち上げる勢いのスピードだった。 「そ、そんな、いきなりすぎる……ぅっ、んっ!」  鋭い悦楽に臍裏がきゅうっと締まった。言葉とは裏腹に、一司は自ずと脚を開いて指での施しをねだった。竿肉の角度が上がる。放流が近い証拠だった。それでも一司は懸命に耐えた。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1527人が本棚に入れています
本棚に追加