※雨の中の二人

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(神谷が……くる)  あれだけ拒絶してきた物が、いよいよ体内(なか)にやってくる。緊張が高まった。心拍数が上がる。 「かずちゃん、いくよ」 「っ……んんっ、ぅう!」  コクリと頷くと、穂先によって入り口が抉じ開けられた。しかし、挿入(はい)ったのはほんの少しで、それ以上は進まなかった。どうしても力んでしまうのだ。 「かずちゃん、息を大きく吸って吐いてみて……っ」  神谷もキツイのだろう。荒い息を整えながら言った。 「っ、んぁっ……ふっ、ぅう」  言われた通りにしても上手くできない。悔しい。この状態を何とかしようと一司は力を抜くことを試みる。早く愛する男を直で感じたい。その一心だった。それは神谷も同じだったようで……。 「かずちゃ愛してるよ。これからずっと一緒だ」 「……っ!」  真摯な愛に全身が歓喜した。強張りが解けた。その隙を狙ったかのように神谷が腰を押し込んだ。肉道は彼の硬茎によって一気に貫かれた。 「っ、あ……ああぁぁぅ……っ!」  結合部からの重い衝撃に一司はあられもない声を上げて、背を大きく反った。神谷はそれを抑え込むように覆い被さった。 「かずちゃんの中にやっと入れた。ああ、凄ぇ、あったかい」  感動しているのだろう。神谷は挿入したばかりの肉襞を味わうように腰をゆっくりと回した。 「――っ、んんぁ……ああっ!」  強い圧迫感に一司は啼いた。  それもそうだ。あれだけの大きさを誇る雄の象徴だ。入っただけで奇跡だ。  だが恐れていた痛みはなかった。それどころか媚肉は驚くほど神谷の屹立に馴染んでいた。
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