最悪の出会いは吉となるか(改稿版)

※雨の中の二人

「もう少し早く動くから、しっかり捕まってろよ」
「ん……あぁっ」
　言われるがまま、神谷の背中に腕を回してしがみつくと、緩やかな律動がはじまった。肉襞を優しく撫でる抽挿は、男を初めて受け入れる一司の身体を思いやっての事だろう。

「はっ、ぅ……んんっ、んん」
　柔い摩擦の連続に一司は鼻にかかった声を漏らした。優しい快感だった。
「かずちゃん、気持ちいい？」
　まったりと腰を回しながら問う神谷の顔は、どこか辛そうだ。いや、これは我慢している。その証拠に肉道を支配する雄肉は脈動を強めていた。摩擦が足りないのだろう。

「か、神谷……俺のことはいいから、もう好きなように動けよ」
　そこまで大事にしなくていい。ゆさゆさと揺さ振られるなか、一司は息を深く吐いて言った。奪うように抱いていいと瞳で伝えた。

「その言葉、後悔しても知らねぇぞ……！」
　神谷の目の色が変わった。ギリギリまで肉杭を引き抜いたあと、一司の双丘に股関節を大きに叩き込んだ。
「ひぃっ、あ……あああぁ……ぅっ！」
　強い打ち付けに尻肌が厭らしく波打った。硬起した生雄は内壁を抉りながら体奥へと到達した。

（こんなところまで……っ）
　敏感な臍裏を飛び越えてやってきた雄茎に瞼が痙攣した。半開きとなった口から舌先が覗いた。
「かずちゃんの奥、想像以上に熱くて蕩けてる……っ！」
「んっ、あ……そこ突いたら……は、うぅん！」
　エラの張った穂先が粘膜の窄みを捏ねった。突き刺すような性の電流が背筋を凌駕した。一司は目の前の男に必死に抱き付いて快感をアピールした。

　それをいいことに神谷は腰を縦横無尽に振りたくる。肉路はもう完全に開き切り、性の摩擦を悦んだ。埋まる雄蕊を貪るように締め付けた。
「すげーな、かずちゃんの雄膣(なか)どうなってんだよ。初めてのくせに滅茶苦茶エロい動きしてんぞ……！」
「そんなの、知らねぇ……っんあああ！」
　ズンと、鋭利な角度で突き上げられた。