※雨の中の二人

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「ちゃんと言葉で言ってくれ……そうじゃないとイかせられねーよ」  ここにきて腰打ちがピタリと止まった。 「っあ……!」  意地悪な行為に身体の痙攣が強まった。しかし、今の一司に悪態をつく余裕はない。素直にねだった。 「き、気持ちいい、気持ちいいから、早く動いて……っ、ひあぁぁぁぅ!」  淫らな叫びが空間に響き渡った。そこに肌と肌の打音が重なった。破壊級のピストンが打ち込まれたのだ。 「かずちゃん好きだよ……!」 「お、俺も好き……ああっ、ああ!」  力強い律動を全身で受け入れながら、愛する気持ちを確かめ合う。 (もう……もう駄目だ)  心も身体も溶け合うセックスは幸福感を呼んだ。視界が霞む。脳も腰もグズグズに溶けていく。もっと欲しい。一司は理性を放り投げた。 「神谷、もっと、もっと……して!」  溺れた。開いた脚を覆い被さる男の胴に巻き付けた。 「それ、反則だろ……っ!」  奥歯を噛み締めた神谷が絶頂に向かって追い込みをかけていく。凶暴とも言えるラストスパートだった。淫らな熱がせりあがってくる。一司は自ら恥骨を浮かし、反り起った竿肉を神谷の逞しい腹筋へと擦り付けた。裏筋があたる。先端がブルリと震え、射口からは濁った蜜が覗いた。 「あっ、神谷……もう、俺……出ちまうっ!」  性の放流を訴えた。 「俺も限界……このまま奥に射精()すぞ……!」  神谷も爆ぜる時を感じているようだ。奥をしっかりと狙ったまま嵩を増した生身の雄で最後の一突きを放った。それが決定的だった。狂おしい快感が堰を切った。 「……んっ、あぁぁっぅ――っ!」  潤んだ目を見開いて一司は達した。白の吐液を勢いよく噴射した。 「っぐ……イク!」  時同じくして、神谷も灼熱の雄種を一司の体奥に叩きつけた。
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