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神谷が帰宅したのは夜十時を過ぎた頃だった。彼は帰って来るなりソファで寛ぐ一司に飛び付き、口付けの雨を顔中に降らした。
「ちょ、お前……いきなり何だよ!」
「かずちゃん、あたしの帰りを待っててくれたのね。嬉しいっ!」
歓喜が止まらないのだろう。神谷はそのまま一司を押し倒し、衣服を脱がしにかかった。それを意味する行為はひとつしかない。
「ま、待て……流石に無理だ!」
昨日の今日だ。身体がおかしくなる。一司はたくし上げられたシャツを戻した。
「あたしは無理じゃないの。ねえ、一回だけ……」
「っあ……」
ちゅっと首筋を吸われて肌が甘く騒いだ。その隙に部屋着のズボンと一緒に下着が膝まで下ろされた。晒された中心部は頼りないほど元気をなくしていた。
「あら、可愛いらしいくらいに、しょんぼりさんね……」
「当たり前だろ! あれだけヤったんだから出るもの出ねぇ……あっ!」
突然、視界が反転し、身体がうつ伏せ状態となった。
「出なくても問題ないわ。お尻は十分に柔らかいはずだし……」
金具の外れる音がする。まさかと、肩越しに振り返った時には遅かった。隆々と反り起った竿肉が瞳に映った。室内灯に照らされたそれは既に透明な雄汁を纏っていた。漲る欲情がそこにあった。
「あ……あ、なんでお前、そんな状態になってんだよ」
信じられない。驚きを飛び越えて一司は蒼褪めた。
「だって、かずちゃんが可愛いからいけないんだもの」
「理由になってねえ! とにかく今夜は休ませろ……っんあ!」
語尾が甘い声で飛んだ。昨夜の行為で解れ切った蕾を指先で突かれたのだ。それだけで入り口は開き、神谷の指を根元まで飲み込んだ。肉壁が物欲しげに蠢いた。
「ああ……ぅんんっ」
一司は思わず腰を揺らして肘の力を抜いた。自然と尻を突き出す体勢となった。
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