番外編※二人で眺める朝焼けに

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「……ああ、かずちゃんの匂いたまんない。夜まで我慢できないわ」  クンクンと鼻を鳴らされて、項の匂いまで嗅がれた。 「っあ……っ、ちょっと……離せって」  グイと掌で顔を押し退けても、神谷は唇を寄せて耳朶や蟀谷、顔中の至るところを、口付けては舐めてくる。しまった。発情させてしまった。一司は後悔して身を捩ったが……。  「う……あっ!」  視界が大きく後ろへと傾いて、後ろのベッドへと押し倒された。 「ねえ、かずちゃん。ちょっとだけ……ね?」  逃げる隙もなく神谷が覆い被ってきた。新しいシーツを敷いたマットレスがギシリと軋んだ。 「ちょっとじゃねぇよ! 今は優先順位があるだろ……あっ、ぅん」  シャツ越しに胸を(まさぐ)られて、突起を指先で引っ掻かれた。小さな尖りはそれだけで、プクリと膨れて快感を得る。 「あたしの優先順位は、いつもかずちゃんに決まってるじゃない」 「っあ、擦るなって……っ!」  しこった胸粒を服の上から指腹で押された。摩擦を受けた途端に、中心部が疼いた。一司は胸が弱い。勿論、神谷はそれを知っている。どんな触り方をすれば感じるのかを熟知している。 「見てごらんなさいよ。可愛いお胸がピンピンしてる。美味しそう……」 「はっ……ぅ、舐めたらっ……」  駄目だと言う前に、淡いグレーのTシャツ越しに突起を舌で嬲られた。そこは瞬く間に唾液に濡れて、厭らしさを増した。 「神谷……マジで、やめろ……って!」  布越しの刺激が淫らな疼痛を生む。下着の中の屹立が徐々に角度を上げていく。
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