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「ふふっ、捕まえた……」
「っ……」
前髪に吐息がかかり瞳を瞬いた。視線を正面に向けると……。
「ねえ、かずちゃん……」
腕を強く拘束されたまま、熱っぽく名前を囁かれた。雄の眼差しがそこにあった。
「……あ」
これはと、一司は小さく肩を竦めて、ヒクリと喉を鳴らした。
「そろそろ、お昼の続きをしましょうよ」
「続きって……あっ!」
突然の浮遊感に驚いて、一司は咄嗟に四肢をバタつかせた。
「こら、暴れないでちょーだい」
神谷の逞しい腕によって横抱きに抱き上げられたのだ。彼はそのまま、ダウンライトの灯った寝室へと足を進める。
「っ……ちょっと、待てって」
真新しいシーツの香りが漂うベッドへと一司は降ろされた。二人分の体重を受けたマットレスがギシリと軋んだ。
「待てるわけないじゃない……早くかずちゃんの中に入りたくてたまんないの」
長い手足で身体を囲まれて、ストレートな情欲を向けられた。
「そんな言い方……するなよっ」
羞恥を誘う科白に一司は頬を染めた。
「じゃあ、何て言えばいいの?」
薄いシャツ越しにじっとりと下腹を撫でられて問われた。
「あっ……ん、そんなの……」
「この薄い腹ん中、ぐちゃぐちゃに擦らせてくれよ……って言ったらいい?」
裾から両手が侵入する。大きな掌は挿入行為を意識するような動きで、腹上を撫で繰った。
「んあっ……バ、バカ……っ!」
悪態を吐きながら、臍裏が切なく締まる感覚に啼いた。
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