番外編※二人で眺める朝焼けに

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「かずちゃん、もう感じてんの?」 「っあ……違うっ、んん!」  中心部に手の甲が触れた。それだけで腰の髄がズクンと疼く。 「大丈夫。あたしも同じ……ほら」  下肢をぶつけられて、雄の滾りをアピールされた。神谷のそこは昼間より硬さを誇り、隆起していた。それはもう、部屋着を突き破る勢いだった。 「お、お前、こんなの……っ」  伝わる欲棒の感触に瞠目した。生の状態を想像するだけで、背筋がわなないた。 「そうよ……今夜は記念すべき初夜だから、あたしの硬くて太くて、長い屹立(これ)で、かずちゃんの全部を、いっぱい愛してあげる」 「っふ……あっ、んぅ」  神谷の人差し指と中指が、一司の唇を柔く摘まんだ。開いた口から赤い舌が覗く。 「……舐めて。お昼に、あたしの物をしゃぶったみたいに」   二本の指が舌の表面を滑ってくる。 「んっ、ふっ……んん」  一司は従った。突き入れられた指を根元まで、すっぽり口内に含んで唾液を搦めていった。 「ふふっ、お口の中って性感帯だらけだから、気持ちいいでしょ?」  口の中で指がグルリと回転した。頬の内側や上顎の柔らかな粘膜に指腹が触れる。 「んぅ……んん」  瞼を震わせながら、夢中になって指を舐めた。 (なんだよ……これ)  口の中に指を入れられているだけなのに、酷く卑猥で欲情する。熱欲の昂りを感じて、一司は内腿を摺り寄せた。 「かわいいな……俺の指をしゃぶってギンギンに勃ってんだ」 ねっとりとした動きで指が抜き差しを開始する。 「んっ……んん!」  喉奥で唸りながら、長い指へと舌を必死に巻きつけた。飲みきれない唾液が口端から伝う。まるで性交時の挿入だ。一司は尻奥を意識しながら、とにかく指を舐め尽くした。
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