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「うわっマジだ、雪積もってる」 ぴたりと開かなくなってることから、嫌な予感はしてたんだけど。 出入り口を塞いでいた土やら落ち葉やらを何とかどかして外に出ると、地面にはうっすらと雪化粧が施されていた。 「めちゃくちゃ寒い」 こりゃあかんと家に戻ろうとすると、歳の離れた妹のさやが中からこちらを覗いているのに気づく。 「あれ、どした?」 「みつお姉ちゃんが掃除の邪魔だからどっか行っててって言ったから、別の部屋に行こうとしたの。したらなま姉が外に出ていくのが見えたから」 「なま姉ってあだ名やめろ。てか、それ言うならお前もだろが」 怠け者の姉、の略称なのは言われんでも分かってる。 「お姉ちゃん、どこに行こうとしてたの?」 「いやぁ、あんたと同じ。みっちゃんに掃除の邪魔だからどっか行けって言われて、どうしよっかって。暇だから外でも見に行こうかと」 「何を見に行くの?」 「別に。何となくふらっとしてこようと思っただけだし」 そうだ。みつはお前も妹の面倒くらいは見ろ、と言っていたな。 「ねぇアンタ、退屈じゃない? みんな真面目過ぎるんだよ。あいつらといると息が詰まる。せめて、外の空気くらい自由に吸いたいわ」 そう言って、幼い妹に手を差し伸べた。 「えっ、勝手に外へ出て大丈夫? 後で怒られない?」 「あたしは妹を気晴らしの散歩に連れ出していただけって言えば平気よ。面倒見ろって言ったのはあっちだし、別に問題ないでしょ。ここら辺で雪とか、滅多に見られるもんじゃないよ」 だからおいで? と。 悪魔みたいな誘いと共に手を差し伸べると、無邪気なさやは好奇心に負けてあたしの手を取った。 「さぁて、じゃあひと回りしてこよっか?」
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