殺人自動掃除機バリクリーン

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帰宅すると親のお帰りという声を無視して自室に入り鍵を閉めた。    箱を床に置くとドスンと音が響く。    「ちょっとリョウタ今の音何?大丈夫なの?」    口うるさい母だ。    「大丈夫だって。滑っただけ」    「ならいいけどご飯できてるからさっさと食べなさいよ」    「ハイハイ」    軽返事をすると、机の上にあるペン立てからカッターナイフを取り出し、段ボールに突き立てた。      テープに沿ってカッターを滑らせ箱を開ける。    これ……本当に新品じゃん。    箱の中から新品電化製品特有の臭いと発泡スチロールの臭いがする。    箱から中身を取り出そうと本体を掴み引っ張り出そうとするも、発泡スチロールがぎゅうぎゅうでなかなか出てこようとしない。    ふん!ふん!ふんぎゃ!!    「痛ッ」    何とか取り出せたものの、指先に鋭い痛みを感じ、見ると何故か指が切れ血が出ていた。掃除機を裏返し吸い込み口を見ると、芝刈機のような回転刃物がついていた。どうやらこれで指を切ったらしい。    なんで こんな物騒なものなんでついてるんだ?    そして改めて見ると結構デカイな。    大鍋ほどのサイズはあろうか。これはもしや、前の持ち主も置き場に困って捨てたのか?でもそれならなぜ開封もしていないのか?    色々な疑問が沸いて出てくるが、とりあえず説明書を見ることにした。    説明書を読み、電源を入れると音声が流れ出した。    『オートプログラム、キドウ』    片言の音声を発した瞬間、機械から緑の光線が部屋全体に広がっていく。    『スキャン、シュウリョウ。キドウ、マデ、モウシバラク、オマチクダサイ』    そう言うと、掃除機の中央のブルーに光る画面上に数字が現れた。    これは、残り五時間後に使えるってことか?    ぐぅーと腹の虫が鳴った。そういえばこれに夢中で飯の存在忘れてた。    俺はロボットを放置してとりあえず飯を食べに居間に向かった。
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