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バシュン!
掃除機は動かなくなった。
「あれ?さっき俺がやったときはなんか、こう、見えない壁っていうの?あってさ」
父は、どうだ!と言わんばかりに、ふん!と鼻息を鳴らす。
タクヤとマサキ兄さんは、興味津々といった様子でお掃除ロボットに近づく。
「ねぇリョウタ兄ちゃん。この掃除機何か言ってるよ」
『ガイテキ、コウゲキ、アリ、スグニメッサツセヨ』
「へ?」
その聞きなれないとっぴよしもない言葉に理解が追い付かないが、全員でもう一度掃除機に近づき見た。
サイキドウと書かれた後ろにカウントが始まっていた。それは、10秒を切ったカウント。嫌な予感がした俺達は走って物陰に隠れた。父と母は「大丈夫よ」と言って掃除機から離れようとしない。
ピーン──。
『サイキドウ。ユウセンジュンイ、ヘンコウ、ニンゲン、ハイジョ』
ピーン──。
不気味な言葉の後の静寂が訪れる。
「あなた!なにこれ」
母のヒステリックな声が響く。
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