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第一章 青天の霹靂
―変わらぬ日常、というのは、僕にはどうも何かを閉じ込める檻を連想させる言葉でしかなく、いつもいつもこんな些細なことで悩んでいる僕が異常なんだって、周りを意識してしまうことから始まる。
周囲に合わせるためには、僕を捨てなければならず、僕を捨てて生きている僕は何者なんだろう、とこれもまた常々思っている。
普通ってなんだろう。平凡ってなんだろう。
みんな現実で異端になりたくないから、なれないから、テレビや漫画、小説で、異端な主人公になり切って、そう思い込んで、満足しているんだ。
そして、現実では異端に脅え、恐れ、慄き、普通を演じているに違いない。
生きている限り明日は来る。日常が迫ってくる。
僕は受け入れる。そうしてまた、明日が来るのだろう。
無個性の一員として生きる明日に、どうしても僕は檻を連想してしまう。
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