第一章 青天の霹靂

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 僕の内心は、外界との接続を拒否している。所謂社会受けの良い、体裁(ていさい)を繕った自分を作り出し、その皮を被ることで世間という厳しい環境を生き抜いている。  ―正直言ってもう疲れた。  東京に行けば何か変わると思ったが、そんなことは毛頭なく、むしろその逆で自分を見失ってしまった。無個性で、存在感が希薄で、無価値で、ただの背景になってしまった。今は日々を惰性で送っているといっても、過言ではないだろう。
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