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手紙を読むなり、ぼくは母さんをあわてて呼ぶ。
「な、なにか紙とペンある?」
「どうしたの急に?」
「早く! 郵便屋さんが休んでいるあいだに!」
ぼくは紙をちぎって即席の封筒を作り、それから殴り書きに近い手紙をその中につつんだ。
その即席の手紙にたいた米でつくったのりで封をして、郵便屋さんに渡した。
「ぼうず、いやエニシダ。オレの代わりに行ってもいいんだぜ。」
東洋人の男性はそう言うけれど、ぼくは首を横に振った。
「ううん、準備があるから。いろいろと。ああ、すみませんが、枯れたエニシダの枝を分けてください。」
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