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遠く異国の村に流れてきて、早くも一週間がたとうとしていた。この村の人たちはよほどおせっかいが好きなようで、見ず知らずの東洋人の少年に、これでもかというくらい手厚いほどこしをしてくれた。
初めてぼくがこの村をさまよっていたときには、“ラックアンドフォーチュン”という店名のパブを紹介された。“ラックアンドフォーチュン”にたどり着くと、ぼくの身の上話を聞いた店主のコメットさんは、パンとぶどうジュースに、温かいオニオンスープをタダで提供してくれた。さらにパブの上階に泊めてもらい、長旅の疲れも癒えたぼくは、一宿一飯ならぬ七宿二十一飯のお礼に、このパブの掃除を願い出たんだ。
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