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今日も退屈ないつもと変わらない日々だと思っていた。だけどその日から僕の普通は非日常へと移り変わった。
「あぁつまんね。なんか楽しいことおきないかなぁ」
どうも読者の皆さんこんにちは 板橋 翔これが僕の名前本作の主人公になります。
なに?僕のことをもっと知りたいだって!嬉しいことを言ってくれるね君は。
簡単にプロフィールを作者に載せておくように頼んどくよ。
名前 板橋 翔
性別 男
年齢 22
職業 自称 警備員(ニート)
恋愛経験 なし
特徴 妄想癖(自分が主人公の話を頭の中で構築する)
現実ではありえないことを待ち望んでいる
とまぁいらないことも書いてくれたが概ねあっている。どうだい魅力的な主人公だろ?
そして僕は今最大のピンチに陥っている。
「飯のたくわえがない……だと」
いつも通り12時過ぎに起床テレビをつけひと段落、そのあと飯を食ってどうするか決めようというのに……
「食料調達の時が来てしまったか」
致し方なし、そんな時少し気になるニュースがやっていた
「いじめが原因による自殺だと断定されました。
続いてのニュースです。近年○○市で行方不明になる方が多発しているらしく、警察は誘拐事件の線も視野に入れ動いているようですが以前犯人につながる手掛かりがなく捜査は難航しているようです。地元住民の方は……..」
「ここの近くだな」
まぁ今は緊急事態早くこの空腹をなんとかせねば
戸締りを済ませ、買い物に出かける。数歩たった数歩歩いた時、空から人間の形をした何かが降ってきた。
人間らしきものは僕の前に着地し一言
「これから私の手伝いをしなさい。ちなみに拒否権はありません」
「は?えぇぇぇと、どちら様でしょうか」
自分でも驚くくらい普通の質問をしてしまった。常日頃から非日常を望んでいるにもかかわらずいざ起きてみるとなんかこう……言語化に困るな
目の前の何かは元気に語りだした。
「私は神様に作られた人形です。ある使命を仰せつかりその任務の完遂のためここに来ました。そして神様はあなたに手伝いをさせたらなんか喜ぶと思うし、どーせ暇だから!と」
混乱目の前の人形?は何を?いやいやいやいやいやいやよく見たら少女だろ。そう小学校低学年ぐらいの。いや少年か?こんなのちょっと手の込んだいたずらかなんかだろう。最近の技術はすごいなぁ。
僕の脳が目の前の出来事を消化できず現実逃避という最も効率の良い処理を行っているときその人形が起こした奇跡によって完全に僕の脳は考えることを放棄してしまった。
「信じていませんね。仕方ありません。私バイの権限により出でよ。BAKETU」
そういうと目の前にはいつの間にかバケツが置いてあり、人形はどや顔でこちらを見ていた。
「えっとこれは何でしょうか?普通のバケツに見えるのは気のせいかなお嬢ちゃん」
恐る恐る言葉を選び聞いてみると人形は語り始めた。
「いいですか。これはBAKETUといわれる神の道具です。これの能力は見ていただいたらわかると思います」
何を言っているんだこの子は。もうそのくらいの感想しかない。だって目の前でわかんない人がわかんないこと言ってわかんないことをやるというんだ?
「きゃぁーーーひったくりよぉーー」
見るとそこには倒れたおばあちゃんと横を走り去る黒服の男
男はカバンを二つ持っていることからひったくり犯と推察ができるがそんなこと考えるうちに男は加速し追いつけない速度で目の前を通りすぎる瞬間
「いいですか。見ててくださいね。」
そういうと人形はバケツを手に持ち走り去ろうとする男に向かって振った。するとバケツの中から水が飛び出し男に命中すると。
「は?ありえないだろ。男が消えた」
目の前の出来事を整理しよう。人形→バケツ持つ→バケツ振る→バケツから水出る→男にかかる→男消える
理解できるかい僕そして読者のみんな。僕は……わからない
「このようにこのバケツから出た水で人を消すお掃除を手伝ってください」
家に上げてしまった。こんないかにもやばい子を家に上げてしまった。
「あのぉ、さっきの男の人はどうなったんでしょうか」
「はい、あの人のことはもうこの世界で覚えてる人はあなたと私だけです。ですからおばあちゃんもただカバンを拾い何事もなかったかのように、いえ何事もなかったから目的地に向かっただけですね」
理解しろ僕。そうしないと僕も同じ目に合うかもしれないんだぞ。
「つまりその水をかけられた人間は存在してなかったことにされると」
「正解です!案外賢くて助かります。そして私は今回の大掃除を任された大役でもあるのです!」
うん、わかんない。目的は?あとなんで僕巻き込まれたの?あと大掃除って何?
「すみません。質問よろしいでしょうか?」
「はいどーぞ」
「えーと、神様の目的。大掃除の意味。なんで僕が巻き込まれたのか教えていただきたいです」
「はい。大変答えやすい質問をどーもです。
まず目的について、この世界は大変無駄と浪費、無意味が多いです。それの大半を生んでいるのが人間なので神様たちは人間の排除を望みましたが、だったら悪いことをする人間だけ消そうという判断に至ったらしいです。だから大掃除、ゴミを掃除するので」
「人間がゴミですか」
「はい、そして最後のあなたが巻き込まれた理由ですが、最後の仕事は二人ではないとできないので。そして」
「そして……」
「私が楽をしたいからです」
「あの僕じゃなくてもよかったのでは……」
「まぁそこは運がなかったと諦めてくださいww」
この人形め。見える僕には見えるぞ、文面上に出るwが。くそ、だがしかしこんな非現実正直少し楽しい。いや楽しまなくては。
「あ、もしかしてニュースでやっていた連続誘拐って」
その言葉を耳にしたとき人形は少し不機嫌そうな顔し
「いいや。あれは私のしたことではないですよ」
違和感。あんなに愉快そうにしていた人形が突如歯切れが悪くなった。
「あの、これから協力することになるんだから、秘密とかはなしにしません?」
「え、協力してくれるんですか。そんな素直に」
人形はその人間が巻き込まれたという意思より協力という言葉が出てきたことに驚きを隠せなかった。
「まぁ、たまたまね。たまたまやることがないのでね。困っている神様をほっておくこともできないでしょう。それに掃除は好きです」
そういわれた人形はどこか悲しげな表情を浮かべながらも
「よろしくお願いします」
と握手をし協力関係を結んだ。どんな結末を迎えるのか想像しつつ。
とある廃工場そこで不気味に笑う男が一人
「大掃除なんてめんどくさいことしないでも最初から全部無くせばいいのにな。全部こう水で流せたらよくね?まぁここに来るの楽しみに待ってるよ。お人形ちゃん」
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