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始まりの物語
その昔、人形たちを大切にし続けた1人の少女が願った。
『もし、“この子たち”が手足を思うように動かしてくれたら、一緒に話してくれたら、どんなに楽しいだろうか』
寂しさを紛らわすように呟きながら、いつかその日が来ると信じ、多くの時間を共有した。
そして、少女の願いは届き、想像の力が人形の“力”そのものになった。
少女が想像すれば人形劇を始め、円舞曲だって踊ってくれた。
頭の中だけだったはずの世界を体現してくれる“それら”を、少女はさらに深く愛し、大切にしていった。
信じた分だけ応えてくれる相手、共に困難を乗り越えてくれるパートナー。
人はそれを、『相棒』と呼んだ。
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