その後…

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その後…

 どうやら、今回殺害された村那舞手は表向きでは印刷業者に勤めていたが、そこで得た情報をマスコミ関係に売って不当な利益を得ていたという。  特に懇意にしていたのが、フリーの記者である飯井分であった。しかし、最近では村那にも付き合っている人ができ、もうこのような裏家業からは足を洗いたがっていたという。  その交際相手が、実は自分の元同僚であることを知った飯井分は激高。村那の家に行き、被害者が背を見せたところで犯行に及んだという。  ちなみにその元同僚の名は柴木華麗。飯井分は、自らの犯行をその弟に擦り付ける計画まで周到に準備し、被害者宅の玄関の前に血を拭いたアイスピックを落としておいたのである。  ところが、先ほど警察の言った通り柴木幾世は左利き。右手で犯行に及んだ時点で、犯罪には不向きだったと言えるだろう。
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