足跡

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足跡

亮太に手を合わせた後、 私達が墓地を背に歩き出した時、私はあの子達が着けた足跡の他に異様な足跡を見つけました。振り返ると、亮太の墓石から付いている足跡です。 その足跡は、男性の大きさの足跡の横に、杖の先と思われる丸い後が足跡に沿うように付いていました。 「 お父さん、あの子達が賑やかで御迷惑かけたかもしれないので御住職に挨拶してくるわ」 と言い向かいました。 「こんにちは、早瀬でございます」 墓地の奥にあるご住職のお住まいの玄関から声をかけさせていただきました。 「はい、あ~これはお久しぶりで」 御住職は穏やかな笑顔で向かえてくださいました。 「あのぉすみません、今日、息子のお墓参りに大勢で来てしまい御迷惑をお掛けしませんでしたでしょうか?」 「いえいえ、みんなお行儀良く済ませてまいりましたよ」 御住職は返って恐縮気味におっしゃってくださりました。 「後、伺いたい事があるのですが…。あの子達の他に杖をついた…」 まで申しますと、ご住職は私達が当然知ってるかの様に直ぐにお返事を下さいました。 「あ~榊原さんね」 やはり…。
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