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「すみません。僕がこんなところで寝ちゃっていたから心配させましたよね。お客さんに気を遣わせるなんて接客業失格ですね」  光一は笑って話を終わらせようとしたが、李花は食い下がった。今ここで話が終わってしまったら、光一は本当に倒れてしまうかもしれない。 「違います! 差し出がましいとは思うんですけど、このままでは来栖さんの体が持たないですよ」 「いやー、倉川さんには素敵なリーフレットを作ってもらったんですし、もう十分助けてもらっていますよ」 「リーフレットは羽場印刷として請け負った仕事です。そうじゃなくて……」  どうすれば光一を説得できるだろう。カフェの店長とお客、印刷会社社員とお得意様の関係では光一を助けられない。  李花は考えをぐるりと巡らせ、光一と自分のもう一つの関係を思い出した。 「羽場印刷の社員じゃなくて、ラジオリスナー仲間として言っています」  李花の言葉を聞いた光一は再び目を見開いたが、頬がふっと緩み口元には笑みが浮かんでいた。
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