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「……うん、いいよ」
「ホントに? 良かった~! 断られたらどうしようかって…」
「えー? 付き合う気のない人と何度も時間を割かないでしょ」
彼女は大人な感じで笑った。顔を寄せると彼女はそっと目を閉じた。
僕は唇をそっと重ねた。
「…また電話するね」
「わかった。私も電話するね」
彼女は僕に頬笑みを見せると車のドアを開き傘を差して外へ出た。僕は胸の高鳴りを抑えながら、手を振る彼女にクラクションを鳴らし、車を走らせた。
……窓の外、濡れた路上を走る車の音とリンクする。
「ふぅ……、ダメだ、仕事しないと」
その時、ケータイがバイブレーションした。
着信表示は[+1]から始まっている。
「Hi Mano Speaking」
”Hello. Mr. Mano This is Stave"
(バスケの商材の催促か…、今夜はもう寝るのは諦めるしかないな…)
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