「Spring Blues」

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「なんか、雨降りそうね…」 結香が立ち上がって窓から外を伺っていた。 「マジ? 昼間はかなり晴れてたんだけどね」 「もうそろそろ衣替えしないとだね」 結香はカーテンを閉めると、呟いた。 「そうだな。今年の連休はちょっと肌寒かったしね。今日も暑かったし、これからもっと暑くなるんだろうなぁ」 「スーツも暑いでしょ」 「客先行く日はしょうがないよ。…じゃ今週末衣替えすっか。いや、それよりも和室のコタツ布団をしまわないと。明日干しといて」 「えっ? 梅雨は寒いからって毎年タクミ言ってんじゃん。私は仕舞いたいのに」 「そういやそうだった。』 「何?もう耄碌(もうろく)? やめてよね」 「いや、ちょっと考え事しててね…」 「…とりあえず、週末まとめて洗うから、全部出してね。コート類はクリーニング出すからここら辺に出しといて」 結香はリビングの何も置かれていない一角に立ち、その場を指している。 「そこね」 「タクミ、私明日早いからもう寝るね?」 「早いって、今日も早出じゃなかったっけ。連休明けたばかりなのに忙しいね…」 「明日朝一でESOLで打合せあるの。明日朝から1日雨なのかなー。あそこ駅からかなり歩くんだよね……」 「ごめんね。連休俺が休めなくて…」 「いいの、拓海の仕事の事理解してるから。GW休んだからってどこも混んでるだけだし、お互いインドア派だし」 「だな、結香がインドアでなんか救われたよ。俺もちょっと連絡したいとこあるから、それ済んだら寝るわ」 「はーい、大変ね、あっちは起きてる時間真逆だもんね。大丈夫?私いなくて?」 結香がいたずらに笑う。 「ええ? 大丈夫…寂しいけど」 「もう! 頑張ってぇ 待ってるから!」 結香は笑顔を向けながら、リビングを出た。 「はいよ。おやすみ…」
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