13人が本棚に入れています
本棚に追加
告白と贖罪
このタイトルだけで湊かなえさんだとわかる人はおそらく僕より詳しいです^_^。
告白は映画で贖罪は小説で読みました。
告白を観た最初の感想は「短か!」でした。
というのも主演の松たか子さんが演じる女教師が教室で淡々と告白するだけのシーンなのですが、なんていうか、完結してるんです。
えぇえぇ、そりゃもうこれ以上ない完成度の短編として完結してるのでここから続くとは想像できなかった訳です。
え?続くんだとわかった時には「いやぁ、これ以上の展開とかあるのかなぁ、大丈夫かなぁ」と要らぬ心配をしたのですが直ぐに杞憂だとわかります、そこからの怒涛の展開!ドトールで宴会!(大迷惑!featuring奥田民生!奥田民生は本人だろ!ま、そんな事はどうでもいい
!)という感じで最後に作者の言いたかった事が松たか子さんの口から語られます(やはり松たか子さんは凄い女優さんなんだと思い知らされるとこですね)、見る人によっては胸ぐらを掴まれた様な感覚になるはず。
とにかく、告白のシーンだけでも鳥肌が立つ程の完成度で、比べるべきかわかりませんが「12人の怒れる男」という映画が全編裁判所の中という設定でそんな狭いところで繰り広げられてるにも関わらず面白いという事で話題になったのですが、この告白の最初のシーンは教室の中だけ、一人の女性の告白だけなのにこんなにも凄い完成度なのだという驚きがありました。
そんなこんなで湊かなえさんに興味が湧いた私が次に手に取ったのが贖罪でして、これがまたヤバイです。
え?やばいじゃわからん?
もう、本当に❗️やばい❗️❕❗️です。
え?感嘆符❗️じゃ誤魔化されない?
まぁ、内容はネタバレになりますんで控えますが(じゃあ書く事ないだろ!と思いました?たしかにw)それでも書ける事は、湊かなえさんという作者は欲張りなのかも知れない…いや言い方が悪い、ここはサービス精神がありすぎるとかにしときましょう。
映画の告白もそうでしたが、贖罪も色んなストーリーが混在していてそれぞれにテーマがあり読者の期待を裏切るエンターテイメントの部分と問題提起の部分を両方備えているという脅威的な内容なんです。
例えるなら「全編ボディーブローみたいな?」わかりにくくしてどうする^_^。
問題提起的な作品を社会派作品とか言って、どんでん返しや伏線回収がメインだとエンターテイメントものと言われて優れた作家には同時にその要素が入ってたりするのはあるにはありますが、だいたい一つか二つくらいのはずなんですけど
湊かなえさんのばやい、問題提起のオムニバスであると同時に伏線回収もやる!
という怒涛の筆力をお持ちの作家さんだと感じました。
ま、内容自体は重めなので好き嫌いがあるかも知れませんが、ボディブローをくらいたいと言う方にはおすすめです^_^。
最初のコメントを投稿しよう!