エヴァンゲリオンの牛

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補足 モノリスというのは2001年宇宙の旅というSF映画に出てくるでっかい板でそれに猿が触れた瞬間から知恵が芽生えたみたいな描写があることからいわゆる人類を進化させた、あるいは知恵を授けたなにか(モノリス)として登場する。 この映画自体宇宙空間で時空のねじ曲がった不思議な体験をする宇宙飛行士の話なのだけど多分に難解な部分がありその一つがこの猿がモノリスに触れるシーンで進化論に一石を投じる(もし作者がそういう意図でこの映像を入れたとしたらだけど)形となる。 進化論というのは言わずと知れた人は類人猿から(今はもっと違うネズミみたいなものから進化したという説が有力)進化したという事なのだが、理由として二足歩行した事により脳が進化したとあるがだったらペンギンはどうなるんだとか、ミーアキャットとかも結構たってますけど?とかいうこともあるよねーと言う人も居る。 それだけじゃなくて人間は手が使える様になって脳が進化とか言うてますけどいやいや、もっと複雑な触手を操ってるイカとかどうなるん?(実際に脳が沢山ある軟体動物はいるらしい)って事になって、人類の進化はもっとハッキリとした何かによってもたらされたのではと考える人がいる。 これはぶっちゃけ宇宙人が関わってるんじゃないかと言う考えが出てくるのだけどこれをさらに聖書と結びつける人が出てくる。 つまり聖書の中にある禁断の実(リンゴだけど)を取った事によって知恵を手にしたアダムとイブが最初の人類(人へと進化し始めた最初の猿)なのではないか?っていう考えがあって多少(かなり)強引ではあるんだけど聖書は宇宙人がまたやってきて傲慢になった人類に審判をくだすっていう預言書なんじゃないっていう人も居る。 つまりそのような説を基盤としてエヴァンゲリオンが作られているとすると人類の脅威を使徒と言うのも肯ける訳だけど気になるのは人類補完計画というワード。 これが単なる人類の大量虐殺だとすると、そんな事しなくても人類滅亡しそうな脅威はいっぱいあるんだけどなぁと思うし、そうじゃない、魂の浄化なのだ!という事ならその描写を入れないと訳がわからなくなるが、そうしちゃうと宗教的というか、精神論的というか気分は形而上(けいしじょう)というか、より難解な作品になって見る人によっては好き嫌いが多いに分かれる作品になるのは確かであるそれが作者の意図だとすると「計画通り」という事なのだろう。 ただ、このエヴァンゲリオンは神殺しの舟が出てきて「ヨーソロー」と言ったり精緻な作画があったり、そんなにですか?と言いたくなる強烈なキャラ(シンジ君含む)のオンパレードという所謂エンターテインメントとしてのこれでもかというサービスの部分と物語の真の部分であるストーリーの難解さ(くいつきにくさ)という二面性がある様に思えてしまう。 作画、キャラは抜群に良くてもストーリーが理解し難いとなかなか見てる人に没入感を与えるのは難しいのではないかと余計な心配をするのだが、優れた作品の中には「いやわからないんだけどね、そこがまた良いんだよ」と言わしめる作品もあるので何とも言えませんけどね。
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