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13.相思
「だめ!も、出るッ」
「⋯⋯ゆいっ!!」
「あああああ!」
叫んだ途端に俺は放ち、先端から白濁が零れた。涙目の俺を見た巧の先端からも。
二人分の白濁でお互いの腹を汚したまま唇を合わせる。出したばかりなのに、あっという間に二人とも熱が戻る。
「⋯⋯ゆい、唯。我慢できない」
「んッ。巧、おれも」
机の脇に置いておいたローションを二人で分け合った。巧が自分のペニスに擦り付け、俺は足を開いて自分の後孔をローションを付けた指でなぞった。その様子を見ていた巧の喉が、ごくりと動いた。
「たくみ⋯⋯ほし」
「⋯⋯ばッか!」
ローションを塗った巧の指先がくちゅりと後孔に入った。
「⋯⋯ああッ!」
「え?やわらか⋯⋯」
「⋯⋯んっ。きょう、したかったから。⋯⋯あッ!」
ローションも買って、昨夜⋯⋯。
そういう言う前に、巧が激しくキスをしてきて、歯と歯が軽く当たる。指の動きが激しくなった。
両足を大きく広げられて、どくどくと脈打つ巧の昂ったペニスが挿入ってくる。
中に潜り込み、押し広げられていく。奥まで入った時、おれたちはぎゅっと抱き合った。
「たくみ、巧。すき」
「うん、好きだ。ゆい」
巧がおれの足を抱えて動き始める。手前を浅く擦っては奥に突き入れる。
「あああああああ!」
「ッ!締まる!!」
あまりの気持ちよさに巧を締めつけてしまう。おれのナカで一際大きくなった巧の雄が、熱い熱を吐き出した。
お互いに何回、熱を吐き出したのだろう。
「ゆい」
巧の腕がおれを抱きしめた。
「ね、巧。おれ、わかったんだよ。折り紙を作ってみたら」
──作りながら、ずっと巧のこと考えた。巧もすごくたくさんの時間、おれのこと思ってくれた?
巧の頬が赤くなって、こくりと頷いた。
「唯に折るのは好きなんだ。喜んでくれるの嬉しいし。それに、唯のこと考えながら折る時間は⋯⋯楽しい」
嬉しくなって笑いかけると、巧は言った。
「パンジーは結城に頼まれる前から作ってたんだ。バレンタインに渡したかったから」
「バレンタインに?」
「うん。唯にばれないようにしたかったのに」
不満げな巧が何だか可愛い。
結城の苦笑いの意味がわかった。
「今年は、おれも作るよ。巧のために」
耳元で囁けば、今までで一番強く抱きしめられた。
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