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「接近戦は怪我をしやすいんだ。」
「・・・・・・・・・は?」
思わず素で返してしまった。
パパは何を言ってんだ?
「だから怪我をしやすいんだって!」
真面目だ。言ってることはボケなのかと思えるけど本人は至って真面目みたいだ。
「まぁ相手と近づくから攻撃を受ける可能性は高くなるよね?」
「そう!そうなの!!」
ええい鬱陶しいわい!急に顔を近付けるな!
先程までとは違う圧に気圧されるボクは何とか落ち着いて話をしたかったのでパパと少し距離をとる。
「可愛いノアが怪我する可能背があるんだよ?そんなリスクをパパが喜んで背負わせると思うのかい!?」
さいでっか。パパの重度の娘大好き病が発症してしまったのか・・・
こうなったら僕じゃ止められないしなぁ。ママにお願いするにしても今キッチンだから邪魔しちゃ悪いしここから呼んでも聞こえないと・・・
「呼んだか?」
ひょこっとドアから顔を出すマイマザー元魔王。
え?なんで来て欲しい時にこんなバッチリ来てくれるんだよ。
「ママ大好き。」
「儂もじゃ。」
「ねぇパパは?パパは?」
く、この勢いボクには止めれない。
「こらノアが困っておるぞ。主は自重というのを少しは覚えろ。」
「ママが最近冷たい・・・」
おお!流石ママだ。あの暴走状態のパパを一瞬のうちに大人しくさせるとは。
「主じゃと話が進まんな。代わりに儂が説明するから主は少し鍋を見ておいてくれ。今日は主が好きなグリルベアの鍋じゃ。」
「それは楽しみだ!鍋の当番行ってくるぜ!」
嵐のようにパパは去っていった。ちなみにグリルベアというのは近くの森で討伐される魔物で程よい脂の乗った美味しい熊型の魔物だ。
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