第十五回 Another story ~私と彼女と聖~

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第十五回 Another story ~私と彼女と聖~

※。.:*:'°☆※。.:*:'°☆※。.:*:'°☆ 『風も冷たくなってきたみたいだし、そろそろ帰りましょうか・・・さん?』 「……はい」 頬に突き刺さるような北風も幾分落ち着きを取り戻し、黄色染みた芝生も徐々に青みを帯びてきた。 帰ろうとする私の手を彼女がそっと握ってきた。 だから私も彼女の手をギュッと握り返してやる。 思わず、ぷっ と笑いだす私達。 なにもかもが幸せだった。 このままずっと、二人で生きて行けたら他に何も要らないってぐらいに。 そうこれは、そんな春めいてきた頃の私と彼女と一人の男性の物語・・・。 私の名は志月(しづき) (ひじり)。 大手ゼネコン【真柴建設】の資材調達1課に従事する一社員だ。 4月が間近に迫った3月中旬のある日のこと。資材調達1課に異例の人事が下された。 それは、一平社員(・・・)である私に課長という肩書きが付くことと、ライバル会社である【地主園グループ】への出向というものだった。 「申し訳ないのですが……その資料に触らないでいただけますか!」 6a4b6ba5-691b-4aab-9689-7666b1a941d1 ズバッと私のことを指差した男性の名は黒瀬(くろせ) (あきら)さん。 実は彼、K学園大学の教授さんなのである・・・がしかし、この人!一筋縄ではいかないっていうのが少々玉に瑕。 何故、そんな風に思ってしまうのかと言うと、このK学園大学は【真柴建設】と【地主園グループ】での合同再建が決まっているにも拘わらず、 『黒瀬さん、この大学は老朽化が進み過ぎて、とっくに建て直しが決まっているんです!早いとこ研究所内の整理を済まして、此方で用意した仮施設に移動してくれませんか!!』 「むむむ!いくら・・君の御友人とはいえ、この様な暴挙!僕は絶対認めませんからね!!」という始末なのだ。 『って事があったんですよ!・・・さん!』 「た、大変そうですね💦 けど心配しないで。私がちゃんと愚痴聴いてあげますから♪」 彼女がそう言いながらニッコリ微笑むと、私もその笑顔につられ、フフッと笑ってみせるのであった・・・。 ※。.:*:'°☆※。.:*:'°☆※。.:*:'°☆ こんにちは😃 肆厘 いつかです♪ 今回は親友クリエの一ノ瀬 愛結さんが手掛けて下さったイラストを元にSSを書かせていただきました♪ 久しぶりの愛結ちゃんとのコラボ♪ めっちゃ⤴️⤴️楽しかったです(uωu*) 本当にありがとうございました💕 2021/3/6 肆厘 いつか
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