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さつきちゃんは、小さなクマのぬいぐるみで遊んでおり、ナナちゃんは重いお腹をしたまま、ゆっくり歩いてボールのところで立ち止まった。ボールで遊びたいのだろうけれど、気が滅入るのか、遊ぶのを躊躇してしまう。 「うーん、まだかな」  猫神さんはそう言ったあと、続けた。 「さっきの人は、強い決心が出来て、購入希望するなら応じる。悪い人ではないからな」 「え、ホントですか?」  思わず目を瞬かせた。てっきり一人暮らしの人には、猫を譲らないと思っていた。あの方も働いているだろうし、日中は家の中を空けっぱなしには、なると思うが。
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