239人が本棚に入れています
本棚に追加
「それよりも、ナナちゃんの赤ちゃんがもうすぐ産まれるからね。この子達もいずれは、旅立つんだから」
梅子ちゃんは言う。そう。私達はナナちゃんの赤ちゃんも、愛情をこめて世話をするつもりだ。
「あの……」
そんなとき、女性の透き通った声が聞こえ、私は慌てて涙を拭いた。もしお客さんなら、泣いている姿を見られるのは、恥ずかしい。
声が聞こえたほうに視線を移すと、二階の部屋を掃除しているときに、窓から見えた女性がいた。
「はい?」
猫神さんがその人に聞き返す。
最初のコメントを投稿しよう!