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「それよりも、ナナちゃんの赤ちゃんがもうすぐ産まれるからね。この子達もいずれは、旅立つんだから」  梅子ちゃんは言う。そう。私達はナナちゃんの赤ちゃんも、愛情をこめて世話をするつもりだ。 「あの……」  そんなとき、女性の透き通った声が聞こえ、私は慌てて涙を拭いた。もしお客さんなら、泣いている姿を見られるのは、恥ずかしい。  声が聞こえたほうに視線を移すと、二階の部屋を掃除しているときに、窓から見えた女性がいた。 「はい?」  猫神さんがその人に聞き返す。
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