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 その女性は躊躇しているのか、段々視線が下へ下がって行く。 「それをよく考えてから、それでも貴女がもし、うちで子猫を飼いたいとおっしゃるなら、ネットから申し込んで下さい。そしてHPをもう一度よく読んで下さい」  彼女は二の句が告げなかった。視線を下に降ろしたまま、動かない。 「失礼します」  猫神さんはそれだけ言うと、猫舎のほうへ向かって行く。私達も一応頭を下げてから、猫舎へ入った。 「あの人、また来ますかね?」  私は猫神さんに、訊いてみた。 「さぁ、どうだろうなぁ……」  そう言いながら、さつきちゃんと、ナナちゃんの側に行く。さつきちゃんもあと、ひと月経過した頃に、出産だ。ナナちゃんの出産は、いつだろう。
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