寄宿学校のリザとエリー

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洗い流したとはいえ、鉄錆の香りが残るシャワールーム。 そのままエリーを通せば、血を洗い流していたのがバレてしまうかもしれない。 「ちょっと待って」 エリザベートは少し考えてから、フェイスタオルを熱いお湯で濡らし、両手でしっかりと絞った。 「エリー、これを使って」 シャワールームのドアを少しだけ開け、隙間から絞ったタオルを渡す。 「ありがとう、リザ」 エリーの手にタオルが渡ると、エリザベートはドアを閉めた。 バスタオルを身体に巻き付け、脱ぎ捨てていた服をシャワーでしっかりと洗い流す。 臭いがしなくなったのを確認してからシャワーを止め、濡れた衣服を力いっぱい絞った。 絞って水気を切った衣類はランドリーボックスに投げ入れて、シャワールームを出る。 「リザ、服を着たら髪を乾かしてあげる」 バスタオル一枚で部屋に戻ったエリザベートに、エリーが声をかけた。 エリザベートの長い髪の毛から雫が滴っていることが気になっているようだ。
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