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返事をせずに着替え始めたエリザベート。
エリーは無言を肯定と取ったのか、ドライヤーを準備している。
そこまでされては、エリザベートも断れない。
「着替え終わった? ドライヤー、かけるね」
エリーが後ろに回り、温風でエリザベートの髪を手櫛ですきながら乾かしている。
乾いていくにつれ、黄金の髪は更に輝きを増していく。
根元から毛先にかけて丁寧にドライヤーを当てるエリーは何だか楽しそうだ。
「ありがとう、エリー。もういいわ」
エリザベートが言ったので、エリーはドライヤーを止めて片付ける。
目映い黄金色の髪に櫛を通すエリザベートを満面の笑顔でみていた。
「リザのブロンドヘアーは綺麗ね。本当に憧れちゃうわ」
ため息をつくように呟いたエリーの髪は雪を思わせる白銀だった。
エリザベートの髪が太陽なら、エリーの髪は月のようだ。
互いに違った美しさがあり、お互いを引き立てている。
エリザベートにとって、エリーは理想のルームメートだった。
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